環境保全
地球温暖化や資源枯渇などの地球規模の課題解決に向けて、産業構造の転換が進展しています。日本曹達グループは、化学の力で新たな価値を創造することにより、これらの社会課題の解決に貢献するとともに、事業活動による環境への影響を最小にするよう環境保全活動に取り組んでいます。こうした取り組みを通じて事業を継続的に発展させることで、サステナブルな社会の実現と企業価値の向上を目指しています。
- 気候変動への対応
パリ協定を支持し、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーへの転換や省エネルギーの推進などを通じて、温室効果ガス排出量の削減に取り組みます。 - 環境法規制の遵守
環境関連法規制を遵守して環境保全に取り組みます。 - 環境マネジメントシステムの構築
日本曹達の工場では、国際基準であるISO14001に準拠した環境マネジメントシステムを構築・運用し、環境負荷の低減と省エネルギーを実現する製造プロセスを構築することで、環境保全と高い生産性の両立を図ります。 - 資源循環の推進
限りある地球資源の持続可能な利用を経営の重要課題と認識し、省資源と資源効率の最大化を図るとともに、廃棄物排出量の削減、リサイクルを推進します。 - 環境汚染の防止
環境汚染物質の排出を削減するとともに、原材料の受入から貯蔵・製造・輸送過程での排ガスなどによる大気汚染の抑制に努めます。 - 水資源の保全
水資源の持続可能な利用に向けて、水消費量・排水量・廃水処理量の削減、水質汚染の防止、水資源に配慮した製品・技術の開発に取り組むとともに、サプライチェーン上の水リスクの高い地域を特定し、それらの地域での水消費量削減に向けた具体的な対策を実施します。 - 生物多様性の保全
事業活動における生物多様性・生態系への影響を評価・低減し、保全活動を推進します。
2024年度目標と実績(KPI)
(実績達成度 ◎:90%以上 ○:90〜80% △:80〜60% ×:60%以下) 赤文字:KPI
気候変動への対応
地球温暖化防止に向けた取り組みは、重要な課題です。日本曹達は、一般社団法人日本経済団体連合会が自主的に取り組んでいる「経団連カーボンニュートラル行動計画」に参加し、温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標達成に向け、省エネルギーを推進しています。
また、中長期的な目標を策定し、「グループ全体で温室効果ガス排出量を2025年度までに2013年度比20%以上削減、2030年度までに2022年度比スコープ1、2 42%以上削減、スコープ3 25%以上削減、2050年度スコープ1、2、3 ネットゼロ達成」としました。
エネルギー使用量、および温室効果ガス(GHG)排出量の削減
長経年機器の高効率機器への更新、生産工程の合理化や省力化、節電対策など、エネルギーの使用に係る原単位の改善を進めています。また、環境省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドライン」などを参考に、自社の活動による温室効果ガス排出(スコープ1、スコープ2)と自社の活動範囲外での間接的排出(スコープ3)について算出し、バリューチェーン全体での排出削減への取り組みを進めていきます。
エネルギー使用量(原油換算)
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:本社・4工場・1研究所・6営業所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン・新富士化成薬
国内非製造系グループ会社:日曹商事・三和倉庫・日曹エンジニアリング・日曹建設・ニッソーグリーン
海外製造系グループ会社:日曹南海アグロ
温室効果ガス(GHG)排出量(スコープ1、2)
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:本社・4工場・1研究所・6営業所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン・新富士化成薬
海外製造系グループ会社:日曹南海アグロ
温室効果ガス(GHG)排出量のスコープ別の推移(スコープ1、2)
- ※集計対象は日本曹達の本社・4工場・1研究所・6営業所になります。
エネルギー原単位の推移
- ※二本木工場・千葉工場では、「基準製品換算方式」を、高岡工場・水島工場では、「単純生産量方式」を採用しています。
- ※集計対象は日本曹達の本社・4工場・1研究所・6営業所になります。
サプライチェーンを通じた温室効果ガスの排出
スコープ1排出量 46,460t-CO2
スコープ2排出量 62,412t-CO2
スコープ3排出量 164,305t-CO2
| スコープ3 カテゴリー |
カテゴリー 別排出量 |
|---|---|
| 購入原料・サービス | 135,758t-CO2 |
| 資本財 | 23,339t-CO2 |
| スコープ1、2に含まれない燃料など | 算出していません |
| 輸送、配送(上流) | 3,155t-CO2 |
| 事業から出る廃棄物 | 算出していません |
| 出張 | 1,773t-CO2 |
| 雇用者の通勤 | 280t-CO2 |
| リース資産(上流) | なし |
| 輸送、配送(下流) | 算出していません |
| 販売した製品の加工 | 算出していません |
| 販売した製品の使用 | 算出していません |
| 販売した製品の廃棄 | 算出していません |
| リース資産(下流) | なし |
| フランチャイズ | なし |
| 投資 | 算出していません |
- ※環境省「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(Ver.3.5)」をもとに、数値を算出しています。
フロン排出抑制法への対応
フロン排出抑制法に対応するために、各事業場にて、専門知識を有する者による定期点検ならびに管理責任者による簡易点検、漏洩防止策などを順次実施しています。
フロン類算定漏洩量の推移

- ※集計対象は日本曹達の本社・4工場・1研究所・6営業所になります。
- (注)2023年3月期は地球温暖化係数の高い冷媒を用いる大型機器で追加充填が発生したことにより、CO2換算での漏洩量が増加しています。
森林によるCO2の吸収
気候変動を抑制するうえで、森林はCO2の吸収源として重要な存在です。日曹商事(株)は、天竜川支流の気田川源流部に、約56ha(東京ドーム12個分)の土地を所有しており、造林ならびに地上権設定契約に基づき、スギ・ヒノキの人工林を静岡県が造成し管理しています。この森林は水源涵養保安林に指定されているほか、持続可能な森林経営の証しであるFSC森林認証※を取得しており、健全な森林の育成に寄与しています。
- ※FSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的に設立された国際的な非営利団体です。FSC森林認証は森林保全のために適切な管理体制が敷かれている森林として、独立した第三者機関より認定されたことを表します。
再生可能エネルギーの活用
二本木工場では、河川から工業用水を取水し、返却する際の落差を利用して小水力発電を行っています。この電力は1940年の設置以来、工場の生産活動に有効に利用し、現在に至っています。今後も、再生可能エネルギーを安定的に生み出す、この発電所を大切に守っていきます。
当社では、GHG排出量削減に向け再生可能エネルギー由来の電力を購入しています。高岡工場では、2023年度に工場内使用電力の10%相当分を、2024年度には20%相当分を再生可能エネルギー由来の電力に置き換え、今後も比率を高めていく予定です。また、二本木工場では、2024年度から工場内使用電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力に置き換えました。
千葉工場では、2024年度下期に、工場敷地内に太陽光パネルを設置しました。太陽光発電システムの導入により、CO2排出量を年間約1,140t削減することが可能となります。
本社が入居するJPタワーは2024年1月より、東京電力エナジーパートナー(株)が提供する「グリーンベーシックプラン※」を導入しました。これにより、当該施設での電気使用によるCO2排出量が実質ゼロとなります。
当社は、他の事業場においても再生可能エネルギーの導入を検討し、脱炭素化をさらに加速させていきます。
- ※グリーンベーシックプラン:東京電力エナジーパートナー(株)が提供する、実質的にCO2排出量がゼロとなる太陽光・風力・水力その他の再生可能エネルギー由来の電力を供給するプラン
二本木工場の小水力発電
千葉工場の太陽光パネル
物流部門における省エネルギーの推進
日本曹達は、物流部門においてエネルギー使用に係る原単位の低減に取り組んでいます。2024年度は、高岡工場(富山県)から各拠点への製品輸送をトラックによる貸切輸送から鉄道輸送に切り替えるモーダルシフトを実施しました。この取り組みにより、CO2排出量を472t(73%)削減するとともに、2024年問題に対応する輸送力の安定確保や従来多くの時間・手間を要していたトラック確保の業務の省力化も実現しました。また、優れた環境負荷軽減や省エネルギー・輸送効率化を実現した事業者として評価され、一般社団法人日本物流団体連合会が主催する「第26回物流環境大賞」において、西濃運輸(株)とともに「奨励賞」を受賞しています。
当社はモーダルシフト、輸送容器の大型化による輸送回数の低減、物流経路の変更などの対策を継続して実施し、物流面での効率化と環境負荷低減を引き続き図っていきます。なお、当社のモーダルシフトへの取り組みは高く評価され、2013年に「エコレールマーク取組企業」として認定されています。
輸送に関わるエネルギー使用量ならびにエネルギー原単位の推移
- ※集計対象は日本曹達の本社・4工場・1研究所・6営業所になります。
資源の有効活用・産業廃棄物の削減
一般社団法人日本経済団体連合会が取り組んでいる「循環型社会形成自主行動計画」に参加し、産業廃棄物最終埋立処分量の削減目標達成に向けて、産業廃棄物の削減を推進しています。
産業廃棄物の適正管理と産業廃棄物最終埋立処分量の削減
循環型社会の形成を目指した取り組みの一つとして、長期的に産業廃棄物の排出量そのものの削減を行う一方、産業廃棄物のリサイクルなどを進めることで、産業廃棄物最終埋立処分量を削減しています。
ゼロエミッション
日本曹達は、2024年度もゼロエミッション※を継続達成しました。今後も、ゼロエミッションの継続に向けて、産業廃棄物の削減を推進していきます。
- ※産業廃棄物移動量に対する産業廃棄物最終埋立処分量の比率が小さい状態。当社においては、埋立処分の比率が2%以下を「ゼロエミッション」と定義しています。
産業廃棄物排出量
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:4工場・1研究所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン・新富士化成薬
国内非製造系グループ会社:三和倉庫・日曹建設・ニッソーグリーン
産業廃棄物排出量の推移
- ※集計対象は日本曹達の4工場・1研究所になります。
- ※工場外移動量の基準年:1996年3月期
最終埋立処分量の基準年:1997年3月期 - (注)工場外移動量に関しては、高岡工場の余剰汚泥(外部で微生物自己消化処理)は除外しています。
2025年3月期は、二本木工場における増産工事に伴う搬出土および水島工場廃止に伴う原材料などの処分により増加しました。
工場外移動量
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:4工場・1研究所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン・新富士化成薬
国内非製造系グループ会社: 三和倉庫・日曹エンジニアリング・日曹建設・ニッソーグリーン
最終埋立処分量
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:4工場・1研究所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン・新富士化成薬
ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物
2016年に改正された「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特別措置法)」に基づいて、日本曹達ではPCBを含有するコンデンサ、変圧器、水銀灯安定器などを各事業場で適正に保管・管理し、順次適正に処理を行っています。
官民連携による地域循環型社会の構築
磐梯町(福島県耶麻郡)は、脱炭素化および持続可能なまちづくりの実現に向けて積極的に取り組んでいます。磐梯町は、日曹金属化学(株)を含む町内企業との包括連携協定を締結し、地域循環型社会の構築を協働で推進していく予定です。本協定により、日曹金属化学(株)は磐梯町内で発生する廃棄物の削減と資源循環に参画し、同町のまちづくりに貢献することを目指しています。小規模自治体ならではの機動力を活かした本取り組みは、全国の類似地域への展開可能なモデルケースとしても期待されています。
主要な環境負荷データ
日本曹達の国内4工場における2024年度の環境負荷データを下図に示します。
大気・水質の保全
大気汚染防止法、水質汚濁防止法などの最新の法規制動向を踏まえながら、PRTR制度対象物質排出量の削減、河川などへの有害物質排出量の削減など、さまざまな施策を実施し、大気と水質の保全に取り組んでいます。
化学物質排出把握管理促進法(PRTR制度)対象物質排出量の削減
化学物質排出把握管理促進法の二本柱のうちの一つである、PRTR制度で規定されている第一種指定化学物質の排出削減に努めています。
PRTR制度対象物質排出量

- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:4工場・1研究所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン
有害大気汚染物質排出量の削減
大気汚染防止法に基づく優先取り組み物質で、一般社団法人日本化学工業協会(JCIA)が指定する自主管理12物質のうち、当社が現在扱っている6物質(クロロホルム、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、エチレンオキシド、1,3-ブタジエン、ベンゼン)について、排出削減に注力しています。
VOC削減に向けた主な自主管理化学物質大気排出量の推移
- ※集計対象は日本曹達の4工場・1研究所になります。
大気汚染物質排出量の削減
日本曹達では、大気汚染防止法により固定発生源からの排出が規制されている硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんについて、排出削減に努めています。
大気汚染防止法規制物質排出量
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:4工場
国内製造系グループ会社:日曹金属化学、ニッソーファイン
大気汚染防止法規制物質排出量の推移
- ※集計対象は日本曹達の4工場になります。
河川などへの排水量および有害物質排出量の削減
日本曹達は、法規制値、および地元自治体との協定値を遵守するために、社内でさらに厳しい自主管理値を設け、汚染物質の監視、排水処理設備による浄化の徹底を図っています。
総排水量
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:4工場・1研究所
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン
海外製造系グループ会社:日曹南海アグロ
総排水量およびBOD・COD量の推移
- ※集計対象は日本曹達の4工場・1研究所になります。
排水に係るBOD
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:2工場
国内製造系グループ会社:日曹金属化学・ニッソーファイン
排水に係るCOD
- ※集計対象は以下になります。
日本曹達:2工場
国内製造系グループ会社:日曹金属化学
生物多様性の保全
日本曹達では生産拠点がある地域を中心に、環境負荷の低減、水資源の有効利用や大気・水質・土壌などの汚染防止対策に取り組んできました。近年では、生物多様性保全を重点課題に加え、各事業場で実施可能な活動を行っています。
酒匂川水系メダカの飼育(リサーチ&イノベーションセンター(小田原))
神奈川県小田原市では環境省により絶滅危惧Ⅱ類に指定されているメダカの生息地と遺伝子を守り、次世代へと引き継いでいくために、1999年から「メダカのお父さん、お母さん里親制度」を実施し、保護活動を進めています。
酒匂川水系メダカの飼育


最重要保護生物ヒメコマツの保護支援(千葉工場)
千葉工場では、千葉県の絶滅危惧種であるヒメコマツを2016年に譲り受け、ヒメコマツサポーターを継続しています。

クロップライフジャパン「蜜蜂フレンドシップ計画」に参加
クロップライフジャパン※では、ビジョン活動の一環として、会員各社の関連事業所・所有地などの中で利用可能なスペースに訪花昆虫の好む植物を栽培する「蜜蜂フレンドシップ計画」を2020年度から開始しています。
日本曹達もその計画に賛同し、各事業場においてさまざまな工夫を施し取り組んでいます。
- ※2024年5月にJCPA農薬工業会より改称






「日本曹達グループの森」を通じた環境保全活動への取り組み
創立100周年を機に、SDGs達成への貢献として緑と水源を守るための取り組みを始めています。日本曹達発祥の地である新潟県上越市の「上越市くわどり市民の森」内に「日本曹達グループの森」を設け、生物多様性のある森づくりと環境保全に貢献するべく、公益社団法人国土緑化推進機構への寄付を継続しています。
「日本曹達グループの森」づくりの整備計画図面
すが池の水張り状況
- 1.環境異常:発生件数ゼロ
- 2.気候変動への対応(緩和)
- 2-1.製造エネルギー/生産量(原単位):年1%改善
- 2-2.物流エネルギー/物流量(原単位):年1%改善
- 2-3.
- 地球温暖化ガス(GHG)排出量の削減(日曹グループ)
-
:2025年度 スコープ1、2、3 20%以上削減(対2013年度比) :2030年度 スコープ1、2 42%以上削減(対2022年度比) スコープ3 25%以上削減(対2022年度比) :2050年度 スコープ1、2、3 ネットゼロ達成 - :2025年度 スコープ1、2、3 20%以上削減(対2013年度比)
- :2030年度 スコープ1、2 42%以上削減(対2022年度比)
- スコープ3 25%以上削減(対2022年度比)
- :2050年度 スコープ1、2、3 ネットゼロ達成
- 2-4.フロン漏えい:フロン使用機器からの漏えいトラブル撲滅
- 2-5.
再生可能エネルギー転換
:2030年度 再生可能電力へ59%転換
:2050年度 再生可能電力へ100%転換
- 3.水資源の保全
- 3-1.排水の水質:水資源のモニタリングを行い、効率的な水の利用を進める。
- 3-2.水の使用量:水消費量、排水量、廃水処理量原単位の年1%改善
- 3-3.水リスクの低減:水リスクの高い地域での製造拠点における水消費量の年1%改善
- 4.廃棄物
- 4-1.最終埋立処分量:年3%削減
- 4-2.ゼロエミッションの継続:2%以下
- 4-3.廃プラスチック類の削減など
- 5.大気への有害物質排出:年1%削減
- 6.生物多様性、生態系への影響の低減