価値創造を実現する
6つの資本

日本曹達グループは、創立以来、築き上げてきた経営資本により、新たな価値を創出してきました。
今後も各資本を強化し、持続的な成長を図ります。

財務資本

財務資本

投資効率を重視した財務資本戦略

  • ROIを重視した成長投資と徹底した構造改革により、事業環境の変化に強く、安定した収益を生み出す事業ポートフォリオへの変革を推進。
  • 財務の健全性に配慮し、成長投資と株主還元のバランスを重視した資本政策を推進。

課題

  • キャッシュ・フロー創出力を高める製品・事業への投資の実行。
  • 適切な投資リスク評価の徹底。投資効率が劣後にある製品・事業の整理を検討・実施。
  • 適時・適切な株主還元の実施。

資本の増強方針

不採算事業の整理によって資産効率の向上を図るとともに、高付加価値事業の拡大を推進し、キャッシュ・フローを高める成長投資を実施するなど、高効率な事業構造への変革を進めています。また、新中期経営計画では総還元性向目標を50%以上とし、安定的な配当を継続するとともに、自己株式の取得を機動的に実施することとしています。

  • ROS (売上高営業利益率) 10%以上
  • ROA (総資産営業利益率) 7%以上
  • ROE (自己資本当期純利益率) 12%

(長期ビジョンKPI(2030年3月期))

製造資本

製造資本

高度な技術・ノウハウを活用した
事業基盤の構築

  • 独自の重合技術や粉体ハンドリングなどの高度な生産技術をベースに、医薬品添加剤や半導体材料などの先端分野において、より高度化・複雑化する品質要求・顧客要求を高いレベルで満たし、差別化を推進。

課題

  • 成長ドライバー製品の増産工事を計画どおりに進める(半導体フォトレジスト材料「VPポリマー」、医薬品添加剤「NISSO HPC」)。
  • 生産年齢人口の減少を見据えた、生産プロセスの効率化と最適生産体制の構築。

資本の増強方針

高度なプラントエンジニアリング技術を保有するグループ会社との連携や、他社との技術提携により、製造プロセスの知見・ノウハウのシナジー強化を図ります。また、デジタル技術やIoT(Internet of Things)の活用により、現場オペレーションの改善や最適生産・予防保全を推進するなど、高効率な生産体制の構築を目指します。

  • 設備投資額 400億円 (中期経営計画StageⅡの3年間)

知的資本

知的資本

中核技術の高度化

  • 農薬合成技術や生物研究・安全性研究・製剤技術、ICT分野の高度化を支える高分子技術、効率的な生産を支える生産技術が強み。
  • プラットフォーム技術の強化・拡大と外部技術導入の推進により、新たな価値を創造。

課題

  • 外部技術の導入やデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による中核技術の高度化。
  • ニーズ志向による新規事業領域への進出、技術マーケティングの強化。
  • 特許ポートフォリオの最適化による質の向上。

資本の増強方針

新規事業創出のターゲットドメインとして、「食料」「医療」「先端材料」を設定しました。産・学など外部機関とのオープンイノベーションや、顧客とともに開発を行う共創型研究施設の設立により、中核技術の高度化を推進しています。また、シードステージのマテリアルテックスタートアップへの資金提供を目的とした投資活動も実施しています。

  • 特許保有件数 2,050 (2023年3月期)※日本曹達単体
  • 研究開発費 63.1億円 (2023年3月期)

人的資本

人的資本

「よい仕事をよい人がやる」精神の体現

  • 困難な課題を一つひとつ解決する情熱が価値創造の源泉であり、「よい仕事をよい人がやる」という精神は創立時から変わらない当社のDNA。
  • 多様な価値観・強みを持つ人材一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場づくりを推進。

課題

  • 少子高齢化による人材確保難を前提とした、当社で働くことに対するモチベーション向上。
  • 安全・安定生産を支える人材の育成。
  • 技術・ノウハウを未来に継承できる教育システムの構築。

資本の増強方針

人的資本経営ビジョン「社員もかがやく」では、社員の自律と成長を促し、能力を最大限発揮できる柔軟で効率的な働き方を通じて、価値創造と充実感を高める好循環の実現を目指しています。また、体験・体感型の「日曹技能研修センター」では、製造現場の技術・ノウハウの伝承や、安全かつ生産性の高い製造現場を運営する人材の育成に取り組んでいます。

  • 連結従業員数 2,418 (2023年3月期)
  • 平均勤続年数 19.8 (2023年3月期)※日本曹達単体
  • 有給休暇取得率 77.0 (2023年3月期)※日本曹達単体

社会・関係資本

社会・関係資本

社会との共創による持続可能な発展

  • 世界各国におけるパートナーシップの構築や、産・学との連携によるイノベーションの創出。
  • 事業拠点における地域社会との共生。
  • 環境や社会に配慮した持続可能なサプライチェーンの構築。

課題

  • グローバル拠点との連携による海外事業拡大。
  • 地域との共生・地域の発展という観点からの社会貢献活動の推進。
  • 取引先との建設的な対話による、環境や社会に配慮した事業活動の推進。

資本の増強方針

海外拠点の現地スタッフと連携して各地域の市場動向を把握しているほか、技術スタッフを配置してテクニカルサービスの拡充を図っています。また、世界各国の産・学研究機関と連携した共同研究を推進しています。原材料の調達にあたっては、取引先へのモニタリングを実施し、社会・環境に配慮したサプライチェーンの構築に取り組んでいます。

  • 海外売上比率 41.8 (2023年3月期)
  • 大学との共同研究
    テーマ数
    9
  • グローバル拠点数 17拠点

自然資本

自然資本

環境に配慮した持続可能な事業活動

  • 環境・安全・健康に配慮した取り組みを行うレスポンシブル・ケア(RC)活動を基盤とした事業活動の推進。
  • 製造過程やサプライチェーンにおける環境リスクの最小化を推進。温室効果ガス(GHG)の削減に注力。

課題

  • エネルギーを消費する化学品製造業の責務として、省エネルギーを継続的に推進。
  • 環境意識の高まりに伴う各種法令・規則の強化に対応するための人的負担・コストの増加。
  • カーボンニュートラルへの取り組み。

資本の増強方針

化学製品の開発から製造・物流・使用・最終消費を経て廃棄・リサイクルに至るまでのすべての過程において、環境影響を最小にすることを目指すRC活動に取り組んでいます。また、次世代エネルギー源として注目される水素関連技術の開発や、二酸化炭素の吸収源である森林の保全を図るなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

  • エネルギー使用量 (原油換算) 68.8千KL (2023年3月期)※日本曹達単体
  • 水使用量 17.3百万t (2023年3月期)
    ※日本曹達の国内4工場