医薬品事業
事業概要
医療現場に不可欠な原薬や添加剤を供給
世界の人口増加や、先進国を中心とした高齢化の進展にともなって医薬品へのニーズは日々高まっています。
NISSOは、長年培ってきた高度な有機合成技術を活かして、抗生物質の原薬を供給しています。医薬品添加剤の領域では、NISSO HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)とNISSO SSF(フマル酸ステアリルナトリウム)を提供しております。NISSO HPCは、医薬品を製剤化する際に使⽤する結合剤、NISSO SSFは、滑沢剤として使⽤されており、両製品とも機能性及び安全性が⾼く評価され、医薬品に幅広く使⽤されております。
NISSO HPCとNISSO SSFの安全性と優れた機能は、OD錠(医薬品の⼝腔内崩壊錠)に最適な添加剤です。近年、嚥下困難な患者や⾼齢者、⼩児など、通常の錠剤を服⽤することが困難な患者にとっても飲み易い剤型であるOD錠の需要が⾼まってきています。NISSO HPCの優れた結合⼒と⽔溶性、NISSO SSFの持つ親⽔性の相乗効果により、錠剤硬度と崩壊性という相反する物性を両⽴したOD錠の処⽅設計が可能となります。

主な製品
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医薬品・食品用添加剤
NISSO HPC
NISSO HPC(ヒドロキシプロピルセルロース)は、主に医薬品の錠剤を成型する結合剤(医薬品添加剤)として使用されています。
水、アルコールに溶解する数少ない添加剤で、錠剤の硬度を高める結合力や徐々に有効成分を放出する徐放性など、高い機能を医薬品に付与できることから、医薬品製造に欠かせない添加剤として幅広く支持されています。
例えば、その高い結合力を利用した錠剤の小型化や、優れた徐放性による服薬回数低減、有効成分の血中濃度を一定に保つなどの特性に富み、お客様の用途における課題に対し、高い機能性を提供しています。
また、同製品は「セルニー」の名称でサプリメントなどの食品分野での採用も伸長しています。その高い結合力から成型が困難な天然材料を多く含んだ製剤が可能となり、摂取するサプリメントの量や摂取回数を減少することができます。 -
医薬品添加剤
NISSO SSF
NISSO SSF(フマル酸ステアリルナトリウム)は、医薬品錠剤製造時の滑沢剤(医薬品添加剤)です。主に打錠障害の抑制を目的として打錠や乾式造粒等を行う際に使用されています。分子内に親水基を有するため錠剤の崩壊時間を改善することができ、口腔内崩壊(OD)錠への使用に適しています。また、活性が低いことから多くの医薬品原薬へ適用できます。滑沢剤としてNISSO SSFを使用することで、打錠末の過混合による錠剤物性への影響を抑制することができ、近年注目を集める医薬品連続生産技術にも適する滑沢剤です。
製品一覧
医薬品・中間体
製品名 | 代表的な用途 |
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NISSO HPC/セルニー(ヒドロキシプロピルセルロース) | 錠剤の結合剤・フィルムコーティング剤 |
NISSO SSF(フマル酸ステアリルナトリウム) | 医薬品錠剤製造時の滑沢剤 |
NISSO DAMN(ジアミノマレオニトリル) | 医薬・農薬・染料用原料 |