素材が柔らかく、印刷が難しい段ボール箱表面の文字がくっきり読めるのは、フレキソ印刷という技術のおかげ。ここで使われる印刷版の原料はゴム・樹脂が主ですが、印刷をシャープにするために版の固さを調節する「NISSO-PB」が使われています。なお同製品は、その優れた物質特性から他の様々な工業分野でも使われています。

買い物をすると渡されるレシート。どうして白紙に字が出るのだろうと不思議に思ったことはありませんか？それはレシートの表面に無色の染料と顕色剤が塗られているからです。熱が加わるとこの2つが反応して、無色だった染料が発色します。日本曹達の顕色剤「D-90」は保存性が高く、伝票やチケットなどにも使用されています。

店頭に並んだ野菜や果物。立派に育った旬のものは、見ていてうれしくなってきます。その喜びに大きく貢献しているのが、日本曹達の農薬群。とりわけ殺菌剤「トップジンM」と殺虫剤「モスピラン」は多くの病害虫に効果があるため、発売以来、“農作物の薬”として国内にとどまらず国外でも一般的に使用されています。

飲みにくい粉末の薬を錠剤・顆粒剤に成形する際に使用されているのがHPCという添加物です。医薬品と同じ品質、安全性を担保して製造している企業は世界に2社しかなく、その1社が当社。国内シェアはNo.1。また、世界50か国に「NISSO HPC」を提供しています。

小学校のプールの授業で、プールの底に沈んでいる丸くて白い塊をみたことはありませんか？これはプールの水を殺菌・消毒するための固形塩素剤で、皆さんが安心してプールを利用するために必要な薬剤なのです。「日曹ハイクロン」は固形塩素剤の中でも国内で高いシェアを誇り、多くの学校やスポーツクラブで水質維持に一役買っています。

築年数が経過した学校の外壁や塀、屋根に、黒いシミが広がっていることがあります。この原因にあげられるのが、カビや藻。「バイオサイド」は、建築物を微生物汚染から守る薬剤で、塗布することで建物の外観をキレイに保つことができます。コンクリート用や木材用など様々なバリエーションが揃っています。

PCや炊飯器など、現代ではあらゆる家電に半導体が使われています。半導体の基板上には電子回路図が描かれていますが、その図を描く際にフォトレジストと呼ばれる薬剤が使用されます。「VPポリマー」はそのフォトレジストで使用される材料であり、高度の微細加工が必要な半導体製造に大きく役立っています。

住宅やテント地などの表面をきれいに保つために役立っているのが、酸化チタンコーティング剤「ビストレイター」です。酸化チタンは着色料や化粧品としても使われる無害な物質で、紫外線が当たると光触媒反応がおこり、汚れを酸化分解します。汚れを分解しても、酸化チタン自体が消耗することはありません。害がなくてずっと使える、人にも環境にも優しい製品です。

紙の原料が木であることはご存知だと思いますが、木からパルプを製造する際の、溶解や脱色といった工程で「カセイソーダ」が使われています。他にも、「カセイソーダ」は基礎工業薬品と言われ、上・下水道や工場排水の中和、アルミニウム原料であるアルミナ抽出、石鹸・洗剤の製造など、様々な用途があります。

ゴミ焼却施設で様々なゴミを焼却するときに発生する飛灰には、環境への悪影響が大きい鉛やカドミウムなどの重金属類が高濃度で含まれています。この飛灰を最終処分するときに活躍するのが「ハイジオン」です。回収した飛灰に「ハイジオン」を加え、重金属類を封じ込めることで、周辺土壌へ溶出することを防ぎます。