仕事と社員

Y.M.

小田原研究所 創薬解析研究部
2011年入社 薬科学教育部修了

仕事内容

コンピュータを駆使して、
化合物をデザインする。

「もっと水に溶けやすい化合物にしたい」、「立体構造を確認したい」など、新しい農薬を開発するうえで必要な解析をコンピュータ上にて行い、研究所内の合成や生物の担当者に対してデータや仮説を提供して研究推進をサポートするのが創薬解析研究部の役割です。それぞれのテーマは各部署から依頼されることもあれば、こちらからテーマを設定して解析を行うこともあります。その際、新しい解析手法を実験的に用いてみるなど、テーマへのアプローチ手法は担当者が自由に選べます。
コンピュータ上で化合物をデザインし、シミュレーションを行っていくわけですが、コンピュータは、現実世界では目に見えない事象を可視化できるという独自の特長がありコンピュータを通して新たな目線が得られます。その目線で得られた解析結果が新しい化合物を生み出すための起爆剤になるケースも多々あります。ただし、自分に都合の良いようなシミュレーションを行ってしまうこともあり、解析全体が間違った方向に進まないように気をつけています。方向性を間違えないためには、自分の専門分野に留まらず、専門外の幅広い分野においても最低限の専門知識を蓄えておく必要があります。

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  • 仕事はどうやって覚えたの?

    入社当初、農薬や創薬研究に関する知識はありませんでしたが、「農薬とは何か」という段階から研究所の研修で学ばせてもらい、その後も先輩社員による講義を受けて知識を身につけることができました。理系の研究者であれば、未知の分野であっても最初のきっかけさえあれば自ら学んでいける人が多いと思いますが、日本曹達ではその最初の機会は豊富に用意されています。その一方、有機化学や生物学など、学生時代に学んだ基礎的な知識を実際に仕事の中で活かせる機会が多かったのは意外な発見でした。

仕事の魅力

試行錯誤しながら、
仮説を形にする面白さ。

コンピュータ上のシミュレーションや実際の実験結果に基づく仮説を、テーマ担当者と協力して、化合物という形で証明できたときは最も面白い瞬間です。自分が考えた仮説が正しくても、そうでなくても、創薬研究の宿命である試行錯誤を繰り返すプロセス自体に面白みを感じています。最初からシミュレーションなどを基にした仮説に沿った実験結果が出ることが一番ですが、この仕事は対象が生物ということもあり、現実は厳しく、予測通りの実験結果には簡単には辿り着きません。仮説が外れたとしても、新たに得られた実験結果を基に、悶々と考え続け、コンピュータ上でシミュレーションを繰り返します。そうしたプロセスを経て、デザインした化合物がテーマの課題を打ち破って、創薬研究が一歩前へ進むと達成感を得られます。
私が所属する創薬解析研究部は、他部署よりも様々なテーマに関わることができ、取り組むテーマへの関わり方も自ら発案できます。そのため、いろいろな課題にチャレンジできるという魅力があり、研究者として働くうえではとても恵まれた環境だと感じています。

  • 私の「そーだ!」体験

    私は大学在学中もコンピュータを使って、量子化学計算や古典力学計算による化合物と標的タンパク質の相互作用解析や構造活性相関解析などを行っていました。当時はあくまでもコンピュータという閉じられた世界での研究でした。しかし、入社後、初めて担当した業務で、私のデザインした化合物を合成してもらい、さらに、その化合物の生物活性がわかった時、コンピュータの中にしか存在しなかった化合物が現実世界に現れました。その時、コンピュータの中だけにあった世界が現実と繋がり、世界が一気に広がるような感覚を覚えました。それと同時に、この仕事は、様々な人たちと協力しなければ成り立たないので、自分の担当領域に責任を持って仕事をしなければならないという使命感も生まれました。

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1day Schedule

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