ブタジエンホモポリマーのBシリーズ、両末端に水酸基を有するGシリーズを基本樹脂に、これらの水素化ポリマー、さらにユーザーの皆様のニーズに応えられるよう、様々な誘導体をラインナップしております。
物性値につきましては、代表値とさせていただいております。
Bシリーズはブタジエンのホモポリマーです。さまざまなプラスチック樹脂、組成物への物性改質の添加剤として優れた可塑性を発揮します。1,2-ビニル構造が85%以上であり、熱や光の刺激により、高い反応性が期待できます。また、この特徴的な構造により低誘電率の性質を有し、電気・電子材料として好適です。平均分子量の違いによりB-1000、B-2000、B-3000の3銘柄があります。分子量の違いに応じて、粘度、ガラス転移温度などが異なり、目的の物性に応じた選択が可能です。
銘柄 | 数平均分子量 | 微細構造(%) | 粘度 (Poise/45℃) |
水酸基価 (KOHmg/g) |
比重 (25℃/4℃) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
1,2-vinyl | trans-1,4 | |||||
B-1000 | 1200 | 85以上 | 15以下 | 10 | - | 0.86 |
B-2000 | 2100 | 90以上 | 10以下 | 62 | - | 0.86 |
B-3000 | 3200 | 90以上 | 10以下 | 210 | - | 0.87 |
樹脂改質剤、可塑剤、架橋助剤、印刷製版材、接着剤、粘着剤、水性塗料、電着塗料、電気絶縁材料、焼結バインダー
Gシリーズは両末端水酸基導入ポリブタジエンです。主鎖の構造はBシリーズと同様に1,2-ビニル構造を主成分としますが、両末端に水酸基を有することで、異なる用途展開が可能です。水酸基を活性部位とし、ポリエステル、ポリウレタンなどのジオール成分としても利用が可能です。
銘柄 | 数平均分子量 | 微細構造(%) | 粘度 (Poise/45℃) |
水酸基価 (KOHmg/g) |
比重 (25℃/4℃) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
1,2-vinyl | trans-1,4 | |||||
G-1000 | 1400 | 85以上 | 15以下 | 75 | 68〜78 | 0.88 |
G-2000 | 1900 | 85以上 | 15以下 | 135 | 35〜55 | 0.88 |
G-3000 | 3000 | 90以上 | 10以下 | 310 | 27以上 | 0.88 |
樹脂改質剤、ウレタン樹脂(塗料、接着剤、コーティング剤)、蒸着プライマー、離型剤、電気絶縁材料、TPUエラストマー
BIシリーズは水素化ポリブタジエンです。化学的に安定で、耐光性、耐候性など経時的な安定性に優れます。
銘柄 | 数平均分子量 | 末端官能基 | ヨウ素価 (Ig/100g) |
粘度 (Poise/45℃) |
水酸基価 (KOHmg/g) |
比重 (25℃/4℃) |
---|---|---|---|---|---|---|
BI-2000 | 2200 | - | 21以下 | 50〜100 | - | 0.86 |
BI-3000 | 3300 | - | 21以下 | 100〜300 | - | 0.87 |
樹脂改質剤、可塑剤、接着剤、粘着剤、塗料、電気絶縁材料、注型樹脂
GIシリーズは両末端に水酸基を有する水素化ポリブタジエンです。化学的安定性に加えて、活性部位として両末端に水酸基を有しています。
銘柄 | 数平均分子量 | ヨウ素価 (Ig/100g) |
粘度 (Poise/45℃) |
水酸基価 (KOHmg/g) |
比重 (25℃/4℃) |
---|---|---|---|---|---|
GI-1000 | 1500 | 21以下 | 80〜140 | 60〜75 | 0.88 |
GI-2000 | 2000 | 21以下 | 120〜250 | 40〜55 | 0.88 |
GI-3000 | 3100 | 21以下 | 250〜450 | 25〜35 | 0.88 |
樹脂改質剤、ウレタン樹脂(塗料、接着剤、コーティング剤)、電気絶縁材料、TPUエラストマー、注型樹脂
JPシリーズは1,2-ポリブタジエンのビニル基の酸化によりエポキシ基を導入したエポキシ化ポリブタジエンです。エポキシ樹脂組成物の共重合成分となります。JPシリーズのエポキシ導入は部分的であるため、1,2-ビニル構造に由来する可塑性、電気的物性は保持したままですので、汎用エポキシ樹脂とは異なる特徴的な硬化物を得ることができます。
銘柄 | エポキシ当量 (g/eq) |
粘度 (Poise/45℃) |
---|---|---|
JP-100 | 190〜210 | 220 |
JP-200 | 210〜240 | 1000 |
樹脂改質剤、接着剤、塗料、封止材、エポキシ硬化
TEシリーズはポリブタジエン、または水素化ポリブタジエンの両末端に、ウレタン結合を介して(メタ)アクリル基を有したポリブタジエンアクリレート樹脂です。(メタ)アクリル基の反応性により、粘接着剤、塗料など様々な組成物に用いることが可能です。
銘柄 | 粘度 (Poise/45℃) |
アクリル当量 (g/eq) |
---|---|---|
TEAI-1000 | 2500〜4000 | 1200〜1600 |
TE-2000 | 1000〜3000 | 1600〜2300 |
接着剤、粘着剤、UV硬化性樹脂、電気絶縁材料、注型樹脂
TE系
TPシリーズはトリレンジイソシアネートを用いて、末端にイソシアネート基を導入した多官能性のポリブタジエン樹脂です。ポリイソシアネート成分としての利用のほか、当社のGQシリーズと組み合わせることにより、ポリブタジエンを主成分とする粘接着剤や塗料への応用が可能となります。当社のGQシリーズとの組み合わせを推奨します。
銘柄 | 樹脂分(%) | 粘度(ガードナー)25℃ | 含有する溶剤 | 硬化方式 |
---|---|---|---|---|
TP-1001 | 50 | A〜H | 酢酸ブチル | GQ樹脂による硬化、ポリオール硬化、湿気硬化 |
木工用塗料、コーティング剤、電気絶縁塗料、粘・接着剤
GQシリーズは両末端水酸基ポリブタジエンを空気酸化することにより、主鎖中に水酸基、カルボキシル基を導入した多官能性のポリブタジエン樹脂です。イソシアネート化合物と組み合わせることにより、粘接着剤の原料として使用が可能です。当社のTPシリーズとの組み合わせを推奨します。
銘柄 | 樹脂分 (%) |
粘度(ガードナー)25℃ | 水酸基価 (KOHmg/g) |
酸価 (KOHmg/g) |
含有する 溶剤 |
硬化方式 |
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GQ-1000 | 45 | F〜J | 45〜54 | 4〜8 | キシレン | TP樹脂による硬化、 イソシアネート硬化、加熱硬化 |
蒸着プライマー、木工用塗料、耐食性塗料、コーティング剤、電気絶縁塗料、粘・接着剤
物性 | |||||||
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末端構造 | オレフィンの変性 | Mn | 1,2Vinyl(%) | 粘度(Poise/45℃) | Tg(℃) | ||
Bシリーズ | B-1000 | H | なし | 1,200 | 89 | 10 | -44 |
B-2000 | H | なし | 2,100 | 90 | 62 | -29 | |
B-3000 | H | なし | 3,200 | 90 | 210 | -21 | |
BIシリーズ | BI-2000 | H | 水素化 | 2,200 | <7 | 60 | -51 |
BI-3000 | H | 水素化 | 3,300 | <7 | 180 | -44 | |
Gシリーズ | G-1000 | OH | なし | 1,400 | 91 | 75 | -25 |
G-2000 | OH | なし | 1,900 | 91 | 135 | -19 | |
G-3000 | OH | なし | 3,000 | 91 | 310 | -15 | |
GIシリーズ | GI-1000 | OH | 水素化 | 1,500 | <7 | 105 | -44 |
GI-2000 | OH | 水素化 | 2,000 | <7 | 165 | -42 | |
GI-3000 | OH | 水素化 | 3,100 | <7 | 315 | -37 | |
TEシリーズ | TEAI-1000 | ウレタンアクリレート | 水素化 | 2,000 | <7 | 3,000 | -14 |
TE-2000 | ウレタンメタクリレート | なし | 2,500 | 88 | 1,500 | -9 | |
JPシリーズ | JP-100 | H | エポキシ化 | 1,300 | >70 | 220 | -16 |
JP-200 | H | エポキシ化 | 2,200 | >70 | 1,000 | -7 |
※ 物性値は代表値を示しています。