


果樹・茶の病害防除に
- りんご
- なし
- ぶどう
- もも
- ネクタリン
- おうとう
- 小粒核果類
- かき
- かんきつ
- 茶


1.製 品 情 報
Product information
作物名 | 適用病害虫 | 希釈倍数 | 使用液量 | 使用時期 | 本剤の 使用回数 |
イプフルフェノキン を含む農薬の 総使用回数 |
使用方法 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
かんきつ | 灰色かび病 | 2000~ 4000倍 |
200~700L/ 10a |
収穫前日まで | 3回以内 | 3回以内 | 散布 |
なし | うどんこ病 黒星病 |
||||||
りんご | うどんこ病 黒星病 灰色かび病 斑点落葉病 |
||||||
おうとう | 灰星病 | ||||||
もも ネクタリン |
黒星病 灰星病 ホモプシス腐敗病 |
||||||
小粒核果類 | 黒星病 灰星病(すもも) |
2000倍 | |||||
灰色かび病 | 2000~ 4000倍 |
||||||
ぶどう | 晩腐病 | ||||||
褐斑病 黒とう病 灰色かび病 |
2000倍 | ||||||
かき | うどんこ病 炭疽病 灰色かび病 落葉病 |
2000~ 4000倍 |
|||||
茶 | 炭疽病 | 200~400L/ 10a |
摘採7日前 まで |
2回以内 | 2回以内 |
2.特長
Features
- 新規作用機構(殺菌剤分類52、DHODH阻害)で既存剤の耐性菌にも有効です。
- 黒星病、うどんこ病、晩腐病などを対象とした広い殺菌スペクトラムを有します。
- 予防効果主体の殺菌剤です。浸透移行性も示します。
- 耐性菌発生リスクを抑えるため、登録薬量を守り、発病前に使用してください。
他系統の薬剤とのローテーション散布を行ってください。


DHODHを阻害された植物病原菌は植物体への侵入と定着に支障をきたし、一連の感染行動が抑えられます。
3.安 全 性
Safety
有用生物への影響
(社内試験、実用濃度2000倍での影響)
生物種 | 供試ステージ | 試験方法 | 影響 |
---|---|---|---|
セイヨウミツバチ | 成虫 | 経口投与 | ◎ |
マメコバチ | 成虫 | 直接散布 | ◎ |
ミヤコカブリダニ | 成虫・次世代 | 直接散布 | ◎ |
チリカブリダニ | 成虫・次世代 | 直接散布 | ◎ |
チャバラアブラコバチ | 成虫 | 接触 (ドライフィルム法) |
◎ |
ヒメカメノコテントウ | 成虫 | 虫体浸漬 | ◎ |

マメコバチヘの影響が少なく、
りんごの開花期前後で
使用が
可能です。
- ※ 1:IOBCによる評価基準(室内試験)
- ◎:影響なし(死亡率 0~30%未満)
- 〇:影響少(30~80%末満)
- △:影響中(80~90%未満)
- ×:影響大(90~100%)
- ※2:2019年青森県産業技術センターりんご研究所委託試験
4.防 除 特 性
Control properties
潜伏感染防除効果 (りんご黒星病、ポット試験) 2019年日本曹達(株)小田原研究所
ミギワ20フロアブルは優れた潜伏感染防除効果を示すことが確認されています。




予防効果・残効性 (りんご黒星病、ポット試験) 2019年日本曹達(株)小田原研究所
ミギワ20フロアブルは優れた予防効果と残効性を示すことが確認されています。




耐雨性 (りんご黒星病、ポット試験) 2019年日本曹達(株)小田原研究所
ミギワ20フロアブルは降雨の影響を受けにくいことが確認されています。




移行性 (りんご黒星病、ポット試験) 2019年日本曹達(株)榛原フィールドリサーチセンター
ミギワ20フロアブルは優れた移行性を示すことが確認されています。




5.上手な使い方と
防除ポイント
How to use and
prevention points
りんご
りんごでの上手な使い方
黒星病、うどんこ病に優れた効果があります。
開花期前後の子のう胞子飛散による、黒星病重点防除時期での使用がおすすめです。
DMI剤、QoI剤の耐性黒星病菌にも効果があります。
防除のポイント
黒星病
葉、果実や新梢に発生する。
第一次伝染源は越冬した被害落葉に形成される子のう胞子である。子のう胞子は開花期前後の降雨によって伝染する。葉や幼果の病斑上に形成された分生子が第二次伝染源となり、降雨によってさらに葉や果実に感染する。
子のう胞子による一次伝染の防止が重要で開花期前後の薬剤防除が最重要である。

うどんこ病
葉、果実および新梢に発生する。
展葉期にうどんこ症状を呈し、奇形となる。果実では網目状のさびを生じ、新梢では節間が短くなり成長が阻害される。品種間差があり、紅玉などが感受性である。
開花前後から落花20日後頃の薬剤散布が有効である。

試験事例
黒星病


青森県産業技術センターりんご研究所
品 種:
ふじ(21年生)
規 模:
1区3樹、反復なし
発生状況:
多発生
散 布:
4月24日(展葉1週間後頃)
5月4日(開花直前)
5月13日(落花直後)
5月23日(落花10日後頃)
講 査:
6月16日
(1樹あたり20本の新梢の全葉)




長野県果樹試験場
品 種:
ふじ(9〜11年生)
規 模:
1区3〜5樹、3反復
発生状況:
少発生
散 布:
4月25日(開花直前)
5月6日(落花期)
5月16日
5月28日
講 査:
6月15日
(1区あたり20果そう葉および20新梢の全展開葉、100果)


うどんこ病


長野県果樹試験場
品 種:
紅玉(成木)
規 模:
1区1樹、3反復
発生状況:
多発生
散 布:
4月16日(展葉期)
4月26日(開花直前)
5月6日(落花期)
調 査:
5月15日
(1区あたり20新梢の展開葉全葉)


なし
なしでの上手な使い方
黒星病に優れた効果があります。
開花前後、果実肥大期の黒星病 重点 防除時期での使用がおすすめです。
1作での使用回数の多いDMI剤、QoI剤の切り替えで耐性菌リスクマネジメントに有効です。
防除のポイント
黒星病
【被害】
葉、果実、新梢に発生する。葉の症状には、葉柄や葉脈に発生する黒色すす状の春型病斑と、葉の裏面に発生する墨を薄く流したような黒色の秋型病斑がある。幼果では黒色ですす状の病斑を果面や果梗に形成し、のちにかさぶた状となって裂果や落果を引き起こす場合がある。
【発生】
第一次伝染原は子のう胞子と分生子の二つがある。前年の秋に発病葉が落葉して越冬し、3月頃、落葉上に子のう胞子が形成される。また、前年の落葉前の10~11月頃、秋型病斑上に形成された分生子が降雨によりナシ芽のりん片に感染・越冬し、春先にりん片病斑上で菌糸を伸長させ、果そう基部に分生子が形成される。開花前後と果実の生育後期である開花60~85日後は最も感受性が高い。
【防除】
開花期前後は重点防除期である。果実肥大最盛期は、果実での感受性が再び高くなり、果実感染が盛んになるため、防除を徹底して実施する。また、越冬菌の密度を下げるために落葉前まで秋期防除を行う。


試験事例
黒星病


茨城県農業総合センター園芸研究所
品 種:
幸水(14~26年生)
規 模:
1区1樹、3反復
発生状況:
中発生
散 布:
5㈪8日
5月18日
5月28日
講 査:
6月5日
(各区から任意に10新梢 を選び、中位葉10枚)


ぶどう
ぶどうでの上手な使い方
晩腐病、灰色かび病に優れた効果があります。
黒とう病、褐斑病にも効果があります。
果紛溶脱が少なく、開花期~小豆大期での使用がおすすめです。
(※大豆大以降は溶脱のおそれがあるので使用に注意してください)
防除のポイント
晩腐病
病原菌は結果母枝の樹皮組織、穂軸、巻きひげなどに潜在感染して越冬し、翌春、胞子(分生胞子)を形成して第一次伝染源になる。胞子は雨によって飛散する。飛散は梅雨期に最も多くなるため、この時期が多雨になると一次感染が多くなる。また果実が成熟すると感受性が高まる。梅雨時期の防除が重要。

灰色かび病
病原菌は圃場に常在(植物や有機質に腐生的に寄生)している。低温、降雨が続くと発病しやすい。開花前後の散布、花カス落としが効果的。開花前でも風雨があると傷から感染しやすくなる。

黒とう病
感染時期は早く、萌芽直後から生育初期にかけて降雨が多いと感染しやすい。休眠期防除が重要だが、突然発病することもあり、定期的な散布が必要。
試験事例
晩腐病


(一社)日本植物防疫協会山梨試験場
品 種:
巨峰(24年生)
規 模:
1区約6㎡(2.5m×2.5m)
3反復
発生状況:
甚発生
散 布:
6月25日
7月3日
7月14日
講 査:
8月27日(全果房)

灰色かび病


秋田県果樹試験場天王分場
品 種:
キャンベル・アーリー
(8年生)
規 模:
1区約9㎡(1/2主枝、3m×3m)
3反復発生状況
発生状況:
中発生
散 布:
6月6日
6月14日(開花直前)
6月25日(落花期)
7月5日
講 査:
7月11日(全果房)

茶
茶での上手な使い方
炭疽病に優れた効果があります。
1作での使用回数が多いDMI剤の代替剤としての使用がおすすめです。
防除のポイント
炭疽病
【発生】
新葉に病原菌が侵入し発病する。二番茶、三番茶でのでの発生が多く、降雨により発病が助長される。感染から症状が現れるまで15~20日程度かかる。秋に多発すると翌春の一番茶が減収となる。
【防除】
病原菌は開葉してすぐの柔らかな新葉にしか侵入できないので、二番茶芽開葉期、三番茶芽開葉期、秋芽開葉期に薬剤を散布する。潜伏期間が長いので、萌芽期~開葉期での防除が重要。

試験事例
炭疽病


福岡県農林業総合試験場八女分場
品 種:
おくみどり(25年生)
規 模:
1区5.4㎡(3.0m×1.8m)
3反復
発生状況:
少発生
散 布:
6月7日
(二番茶の0.5葉期)
6月14日(1.5葉期)
講 査:
6月28日
7月12日


