仕事と社員

H.I.

千葉工場 生産技術研究所 技術1グループ
2021年入社 工学府応用化学専攻修了

仕事内容

研究室とは違う、
企業ならではの「周辺工程」。

次世代通信(5G)向けの新しい高分子材料である1,2-SBS(スチレンブタジエンスチレン)のプロセス研究に携わっています。プロセス研究においては重合〜製品充填の「主工程」と廃水や排ガス処理などの「周辺工程」があり、私は周辺工程の溶媒回収を担当しています。私のミッションは、使用済み溶媒を回収・精製し、再利用できるようにすること。具体的には、重合時に発生する副生成物を反応溶媒から可能な限り除去できるよう、操業条件の検討を行っています。
周辺工程は企業ならではの業務であり、私自身もそうだったように、学生は使用済み溶媒の再利用まで意識することはほとんどないと思います。ですが、実は周辺工程は企業の屋台骨を支え、製造コスト削減に大きく影響する重要な業務です。操業条件を検討する際には製造現場での安全性なども考慮する必要がありますし、廃棄物の量が減れば環境への負荷も抑えられます。研究室とは違う考え方やアプローチが求められる業務です。

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  • 仕事はどうやって覚えたの?

    入社時点で、化学工学の知識は持ち合わせていませんでした。そのため、仕事を通じて学ぶことが多いのですが、気兼ねなく相談できる先輩たちがおり、経験豊富なベテラン社員から教えてもらうこともあります。別のグループの装置を借りることもあり、新人でもいろいろな人に相談できる、風通しの良い環境だと感じています。学生時代と特に違うのは安全に対する意識で、実験室よりはるかに大きいスケールの中で、危険な操作に気をつけながら実験を行うようになりました。

仕事の魅力

小さな違いが、
大きな違いに。

ラボスケールとプラントスケールには多くの違いがあり、そのことが仕事の魅力にもつながっています。例えば、合成でよくある分液不良というトラブルも、研究室で少量を扱うのであればそれほどの問題ではありません。ですが、製造現場では数トンという規模の失敗品になってしまいます。ラボスケールでは無視できる「小さな違い」が、現場では「大きな違い」に変わります。また、原料の入れる順番を変えるというようなちょっとした工夫により、現場の作業を大きく改善できることもあります。これも、小さなアイディアが大きな結果を生むというプラントスケールならではの醍醐味です。私自身、周辺工程に携わるようになって、学生時代より大きく視野が広がりました。
プロセス研究のゴールはプラントが立ち上がり、製造を始めることです。プラント立ち上げという貴重な機会を経験し、化学工学をはじめとした幅広い知識を習得していきたいと考えています。

  • 私の「そーだ!」体験

    入社1年目の時、1,2-SBSの製造現場でトラブルが起きました。まさに前述の分液不良になってしまったのです。そのままでは次の操作に移れないため、どうすべきか先輩たちとアイディアを出し合った結果、最終的に私が提案した操作で問題を解消できました。自分のアイディアが製造現場に採用されるというやりがいと責任、現場とのつながりの強さを実感できた出来事でした。

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1day Schedule

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