仕事と社員

M.Y.

二本木工場 生産技術研究所 技術3グループ
2014年入社 工学部化学工学専攻修了

仕事内容

問題自体を探し出す、
新規農薬のプロセス研究。

私は入社以来、ある新規農薬を製造するためのプロセス研究に携わっています。入社当初は、不純物の特定や、反応が思わしくない場合の原因特定や解決といった有機合成寄りの業務に携わっていましたが、現在ではそこから研究のフェーズが進み、二本木工場で製造するための実製造装置の設計を担当するようになりました。不均一反応系、あるいは濾過や乾燥といった操作をスケールアップするためにはどのような装置がもっとも適しているのか、専攻である化学工学の知識を活かしながら、実験的な検証を行っています。ニッチな検証を行うこともあるため、論文を調査しながら実験手法を自ら考え、時には外部施設での実験も行います。
学校の課題では問題が与えられますが、実際の仕事では、目の前で起きていることに対しての課題、つまり問題自体を自ら見つけていくようなところがあります。計算するためのパラメーターも自分で探さなければなりません。図面からパラメーターを導き出したり、製造現場の方から直接話を聞いたりして、主体的に情報を収集していく姿勢が大切です。

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  • 仕事はどうやって覚えたの?

    私は大学院で化学工学を専攻していたため、当初の有機合成寄りの業務はまったくの異分野でした。ベンゼン環にも馴染みがなかったのですが、年次の近い先輩方が報告などの際にフォローしてくれたり、時には組み立てキットを使って教えてくれたりと、まさに一つひとつ助けてもらいながら仕事を覚えてきました。現在は、学生時代のバックグラウンドを活かせる化学工学に関する分野を担当しているため、主体的に行動できる場面も増えてきたと感じています。

仕事の魅力

新規プロセスで億に近い
コストダウンを実現。

製造装置の設計においては既存のプロセスを転用することが多いのですが、状況によっては新規で設計する場合もあります。現在手がけている案件でも、当初は既存プロセスの転用を考えたのですが、従来のプロセスでは危険性があるという計算結果が出たため、新規の濾過乾燥機の導入を検討しました。これは、製造現場出身の方と雑談混じりで設備の話をしている時にヒントを得たアイディアであり、安全性が高いだけでなく、トータルコストも安くなるのではないか、という仮説もありました。
しかし、適した装置の種類やサイズを選ぶためには実験を行う必要があり、さらに当社内で実験環境が用意できないような内容だったため、実験のコストもかかります。ですが、上司の理解のもとに実験を実施でき、まさに適した装置を見つけることに成功。億に近い金額のコストダウンにつながる発見となり、上司や周囲の方々からも評価してもらえました。求めていた実験データが得られた時の達成感は代えがたいものがあります。

  • 私の「そーだ!」体験

    スケールアップの実験を行う時には、実機と寸法比が一致している幾何学的相似形のミニチュア装置を用いなければ正確なデータが得られません。しかし、そのようなミニチュアは世の中に存在しておらず、どうしようかと考えたところ、「そうだ、自分で作ればいいんだ!」と思いつきました。そこで、自ら作図して鉄工所に依頼したり、ものによっては自分で加工したりしてミニチュアを作るようになりました。思いついたら、試してみる――。それを良しとする環境が備わっているのは、日本曹達ならではの魅力だと思います。

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